
こんばんは。きーぼです。(@protein_onakeen)
部下を教育しても全然効果がでないマネージャー
新入社員の教育担当になったものの、どうしたら良いかわからない2〜5年目の若手社員
「やる気のない部下」に対してどれだけ注意したり、教育しても無駄に終わった経験はありませんか?
※ここで言う「やる気のない部下」とは、何かがきっかけでやる気が無くなってしまった社員のことです。
世の中には「注意」「教育」「コーチング」など様々な施策がありますが結論、「やる気のない部下」に対しては効果がありません。
教育やコーチングは元々やる気のある人に対して行うものです。
注意もまた、効果は一時的で、持続しません。
それでは、いったい何が効果的なのでしょうか?
それは、「仕組みを作り強制的に行動させ、成功体験を積ませる」ことです。
人はメンタルが下降している状況で、どれだけ素晴らしいお話を聞いても、素直に受け取ることはできません。
また、一瞬やる気になってもご飯食べてクソして寝て起きたらもう忘れてます。
ここからは「なぜ教育が無駄なのか」「具体的な仕組みの作り方」についてお話ししていきます。
「やる気のない部下」への教育はなぜ無駄なのか
「やる気のない部下」に対しては、「仕組みを作る」ことが必要
やる気のない部下への教育はなぜ無駄なのか

ありがたい話でも素直に聞けない
「やる気のない部下」には、上司のありがたい話や理想論は効きません。
何ごとにも後ろ向きになっているので、斜に構えているし、素直に聞けないのです。
また、教える側の「自己満足になっていないか」には常に注意を払う必要があります。
何かを教えるとなった場合には、絶対に相手目線であること、話を美化しないことには注意しておかなければなりません。
そもそもやる気が無くなっている部下に、こういった話をするのは無意味ですが。
教育する側は自己満足になっていないか注意
生存者バイアスについて
生存者バイアス(せいぞんしゃバイアス、英語: survivorship bias、survival bias)または生存バイアス(せいぞんバイアス)とは、何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、通過に失敗した人・物・事が見えなくなることである。選択バイアス(英語版)の一種である。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
今回細かい話はしませんが、教える側も、教えられる側も「生存者バイアス」という考え方を念頭に置いておくべきです。
簡単に言うと、成功者の方法論は必ずしも当てにならないということです。
成功者の裏側で、同じ方法で失敗を重ねている人については考慮されていないからです。
詳しくは、生存者バイアスでググってみてください。
結構面白いですよ。
やる気がない時の精神論はさらに無駄
やる気のない部下に対して、「頑張れ!」「死ぬ気でやれ!」ということは無意味です。
注意する側が「なんかした気になる」だけで効果はありません。
むしろ、精神論を聞かされる側は余計にやる気を無くす可能性すらあります。
そもそも部下が「死ぬ気でやります!」って言ってきたら信用出来ますか??
僕はこれまでマネジメントしてきて、「死ぬ気でやります!」と言ってきた部下が死ぬ気で頑張っている姿を見たことがありません。笑
自分の言葉に責任を持つということを意識出来ていないからそんな軽々しく「死ぬ気」という言葉を使えるのです。
精神的に参っている人に精神論など無駄中の無駄
自由にさせるのも逆効果(性悪説)
僕は2年前から年上部下のマネジメントを行っていますが、最初は大失敗でした。
なぜなら、「人は自由にさせれば努力をして成果を残す」と思っていたからです。(性善説)
しかしながら、この考え方は大きな間違いでした。
自由に営業させ、マネジメントを放棄した結果、その部下の営業成績は下がり続け、修復不可能な所まで落ちてしまったのです。
後で分かったことですが、その年上部下はサボりまくってました。
営業数字が下がり続けているのを細かくマネジメントせず、部下から上がってくる報告だけで対処しようとしていた自分の責任です。
人は弱い生き物である。サボれる環境があればほとんどの人間はサボる。(性悪説)
説教や注意は事態を悪化させるかも
性善説を信じ、完全に自由に営業させ、報連相を疎かにするのも良くないですが、過度に説教や注意を行うマイクロマネジメントもまた選択すべき方法ではないでしょう。
マイクロマネジメントとは、一から百まで逐一報告させることで、その報告方法も電話で連絡させた後、改めてメールで報告させるなどの方法です。
ただでさえ、マイクロマネジメントはやる気を失くさせるのに、改善など見込めるはずがありません。
悪化の一途を辿ることになります。
説教や注意はうまく使えば一時的な効果はありますが、長続きしないでしょう。
恐怖で支配するには限界があります。
部下の精神が参ってしまうか、上司が諦めてしまう
やる気のない部下には仕組みを作り成功体験を積ませるべき

やる気になっている場合はともかく、やる気がない状態で色々なありがたい話やセミナーを聞いても、一瞬やる気にはなりますが、次の日には忘れています。
人は成功体験がなければ、次も頑張ろうとは思えません。
人は弱い生き物なので、自分にメリットがあると思わなければ、行動出来ません。
逆に、自分にメリットがあることを体験を通じて理解出来ているのであれば、次も頑張れます。
その為に、初動は強制的に行わせる仕組みを作り、小さな成功体験を積ませることが重要です。
ここからはその具体的な仕組みの作り方について解説します。
具体的な目標を設定する(上司)
目標達成の為の具体的行動を考える(部下)
いつまでに実行するのかを決める(上司)
行動結果を定期的に報告させる(上司)
行動結果から反省点を改善し次の行動を決める(部下)
具体的な目標を設定する(上司)
目標設定自体は上司が行いましょう。
適切な目標設定は意外と難しいものです。
部下がギリギリ到達出来そうな目標を設定しましょう。
目標は前月との比較などが出来る具体的な数値で設定するのがポイントです。
目標達成の為の具体的行動を考える(部下)
上司に目標を設定してもらったのであれば、目標達成に必要な行動は部下が考えましょう。
自身で決めた行動の方が、より意欲的に当事者意識を持って取り組めるはずです。
いつまでに実行するのかを決める(上司)
具体的行動を部下が決めたら、上司は期限を定めましょう。
期限のない目標なんて、無意味です。
期限を上司がきっちりと定めることで、部下も「それまでに行わなければならない」と気が引き締まります。(生産性を高める)
行動結果を定期的に報告させる(上司)
期限を決めること、定期的に報告させることは上司の役目です。
マイクロマネジメントをしろとは言いませんが、上司は部下が決めた行動を必ず期限までにやりきらせなければなりません。
ここをなぁなぁにすると組織は崩壊します。
馴れ合いの組織にしたくなければ、期限遵守と報告は徹底させましょう。
行動結果から反省点を改善し次の行動を決める(部下)
行動結果に対する反省を行い「次はどうするか」を決めること、要は「PDCAサイクル」を回すということです。
Plan(計画) Do(行動) Check(検証) Act(改善) の頭文字を取った仕事で成果を上げたり、生産性を高めるために使われるビジネスの基本的手法。
PDCAを回すときには、P(計画)に重点を置きすぎて、その後の行動までのスピードが遅くならないように注意です。
要は頭でっかちにならず、PDCAを高速回転させよってことですね。
仕組みで部下を「やる気」にしてから教育する

仕組みと教育の順序を考える
「やる気のない部下」を最初から教育でなんとかしようとするのは、悪手です。
時間だけが無駄になります。
仕組みで部下に成功体験を積ませることで部下は仕事に対しての「やる気」が出てきます。
そのやる気が出てきたタイミングで、教育をするのです。
上司は様々な観点から、育てる部下を選定せよ
世の中のマネージャーは、怒ることでしかマネジメントが出来ません。
怒ることは即効性がありますが、持続性がないというお話をしました。
それでは、なぜ怒るという選択を取るのでしょうか?
それは、怒って躾けるのが一番簡単だからです。
そして、短期的目線しか持てない上司は怒ってばかりで部下が育ちません。
とはいえ、世の中の変化のスピードが早くなっている現代では、
「長期的目線なんて持っていられない!」
というマネージャーの意見もわかります。
そういった場合には、全員を育てようとしないことです。
複数いる社員の中から、「今」、育てるべき社員を見抜くのです。
同時に全員を等しく育てることは不可能です。
会社は学校ではありません。
組織の売上を最大化するためには、ボトルネックとなる社員を排除するのか、育てるのか、放置するのかという3択を迫られます。
また、ボトルネックとなる社員ではなく、将来有望の社員を集中して育てるのも1つの手です。
上司は複合的に物事を考え、組織の売上が最大化するよう決断をし続けなければいけません。
そのため綺麗事ではなく、無駄な教育に割く時間などないのです。
人は簡単には変わりません。
ましてや、年を取れば取るほど人は変化できなくなっていきます。
この鉄則を忘れてはいけません。
だからこそ、仕組みで強制的に行動を決定するのです。
「人に期待しないこと」
これが、本日の結論です。
本日は以上!!!!